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歯があるから健康?

80歳で自分の歯が20本以上ある、8020達成者は51.6%*1となり、いずれの年代においても20歯以上の歯を保有する方が増加しました。

しかし、歯が残っていても舌の力、唾液量などお口の機能が衰えていると食事がうまくできないことがあります。歯があっても食べる機能が低下していると、かための食事がとりにくくなり、たんぱく質や食物繊維などが不足し栄養が偏りやすくなります。

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お口の機能が低下している人が抱えるリスク
  健康な人と比べて
身体的フレイル 約2.4倍
筋力低下(サルコペニア) 約2.1倍
要介護認定 約2.4倍
総死亡リスク 約2.1倍
用語解説:フレイル
加齢により心身が衰えた状態のこと。生活の質の低下や様々な合併症のリスクの1つ。
用語解説:サルコペニア
筋肉量の減少および筋力の低下のこと。身体機能の低下を伴なう事があり、要介護状態や転倒のリスクである。

ご存じですか?オーラルフレイル

わずかなむせや食べこぼし、滑舌の低下といったお口の機能が低下した状態を示します。
お口の機能が健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にあり、改善も可能な状態です。

〈参考文献〉
一般社団法人日本老年医学会, 一般社団法人日本老年歯科医学会, 一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会, オーラルフレイルに関する3 学会合同ステートメント.老年歯科医学 2024;38, supplement 号:86-96.
オーラルフレイルのチェック項目
お口の機能が低下している人の割合
〈参考文献〉
太田 緑ら「地域歯科診療所における口腔機能低下症の割合」
日本老年歯科医学33(2),79-84,2018-09-30

お口の衰えは将来
健康状態低下のリスクを高めます

お口の衰えは将来の健康状態低下のリスクを高めます
〈参考文献〉
1)Tanaka T, Takahashi K, Hirano H, Kikutani T, Watanabe Y, Ohara Y, Furuya H, Tsuji T, Akishita M, Iijima K:Oral Frailty as a Risk Factor for Physical Frailty and Mortality in Community-Dwelling Elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018.
2)Fukutake M, Takahashi T, Gondo Y, Kamide K, Masui Y, Matsuda KI, Enoki K, Takeshita H, Mihara Y, Hatta K,Sato H, Murotani Y, Hagino H, Kabayama M, Ishizaki T, Sugimoto K, Rakugi H, Maeda Y, Moynihan P, Ikebe K.:Impact of occlusal force on decline in body mass index among older Japanese adults: Finding from the SONIC study. J Am Geriatr Soc. 2021.

お口の機能検査や管理(低下していた場合の回復・維持)は歯科医院で対応可能です。
かかりつけの歯科医院へご相談ください。

歯科医院で行う検査とは?

“食べる”“話す”に必要な機能を検査します

  • 舌の清掃状態
  • お口の乾燥状態
  • 咬む力
  • 噛み砕く力
  • 舌の力
  • 唇と舌の動き
  • 飲み込む機能

7つの検査時間は全部で約10分
(保険適用)

歯科医院で行う管理とは?

お口の機能トレーニングは毎日続けて行うと様々な症状に効果的です。
ご自宅で動画を見ながら一緒にやってみましょう!

口腔乾燥に だ液腺マッサージ

だ液腺マッサージ
目的
だ液分泌

▼動画でチェック

【動画監修・指導】
東京歯科大学 教授 上田 貴之 先生

ブクブクうがい

ブクブクうがい
目的
唇・頬の筋力

▼動画でチェック

【動画監修・指導】
東京歯科大学 教授 上田 貴之 先生

舌を動かす 舌回し

唾液腺マッサージ
目的
舌の動き 唇・頬の筋力 だ液分泌

▼動画でチェック

【動画監修・指導】
東京歯科大学 教授 上田 貴之 先生

舌の筋力UP ペコぱんだトレーニング

唾液腺マッサージ
販売元
株式会社ジェイ・エム・エス
東京都芝浦1-2-1

※ペコぱんだは株式会社ジェイ・エム・エスの登録商標です。

目的
舌の筋力

▼動画でチェック

【動画監修・指導】
東京歯科大学 教授 上田 貴之 先生

販売元
株式会社ジェイ・エム・エス
東京都芝浦1-2-1

※ペコぱんだは株式会社ジェイ・エム・エスの登録商標です。

噛む力と舌の動きに ガムトレーニング

【基礎編】
朝・昼・晩の1日3回、食前などに左右の奥歯で、ガムを片側20回ずつ交互に噛みます。

【応用編】
ガムを丸めて、舌の先で上あごに3秒間押し付けて伸ばします。

目的
嚙み砕く力 舌の筋力 だ液分泌

▼動画でチェック

【動画監修・指導】
東京歯科大学 教授 上田 貴之 先生

ご自身や周りの方でお口の機能が気になる方がいらっしゃったら歯科医院へご相談ください