この30年位で、日本人の体・顔は大きく変化しました。その中でも、歯科の守備範囲である中顔面、下顔面は最も変化の大きかった所でしょう。軟食によると言われていますが、加えて、生活習慣の変化が口腔、顔面、全身に影響しています。
歯列の狭窄、顎位の偏位など、不正咬合は変化し、機能障害が多発しています。口腔だけの問題ではなくて、気道の狭窄、筋肉の過緊張、骨格の非対称の成長など、体のバランスを崩し、全身的な不定愁訴を訴える方が増えています。
私達の年代が30年前に習い始めた頃の患者さんと、不正咬合は明らかに変化しています。
時代の流れ、生活様式の変化によって、疾病の種類は変化して当然でしょう。御本人の持って生まれた遺伝的要因の中で、出来るだけすこやかに成長し、すこやかにエイジングしていただくために、後天的なひずみの要因をいかに予防し、起こってしまったひずみをどう取り除くか。それが私達矯正家に課せられた仕事だと考えています。