竹元京人は1979年に東京歯科大学卒業後、東京医科歯科大学矯正科に2年間所属し、その後東京歯科大学にて博士号を取得した。
1983年に千葉県松戸市で矯正歯科クリニックを開業し、1987年には日本で最初の舌側矯正専門クリニック(イーライン)を東京都港区に開業し、現在は千代田区および松戸にオフィスを構えている。
現在までに20カ国以上でセミナーを開催し、4500人以上の矯正歯科医が参加している。
また、世界舌側矯正歯科学会の会長、ヨーロッパ矯正歯科学会専門医でもあり、ニューヨーク大学(アメリカ)客員教授、フェラーラ大学(イタリア)客員教授を務めている。
竹元は舌側矯正に関して数多く執筆し、その集大成としてDr.スクッゾ(イタリア)と共同で今までにない快適なSTbライトリンガルブラケットを開発し、2009年さらに改良を重ねたNew STbを用いたリンガルストレートワイヤー(L.S.W.)法を考案した。
舌側からの矯正治療は1970年代にDr.藤田がマッシュルームアーチフォームを用いた藤田メソッドを開発して以来、現在の臨床でも多くの場合複雑なマッシュルームアーチをベンドして治療が行われ続けてきている。しかし、1996年より、竹元が初めてプレーンアーチワイヤーを用いた治療法を開発し、2001年にリンガルストレートワイヤー法を発表して以来、改良を重ね、現在ではほとんどの症例に使用されている。
プレーンアーチワイヤーフォームを用いることでよりシンプルなメカニクスで治療が可能となった反面、ワイヤーベンドを最小限にするためには間接ボンディング法を用いたより正確なブラケットの位置付けや、より確実な治療システムが重要であることがわかった。また最近ではブラケットの改良も行い、臨床においてより良好な結果を得たので症例を交えて報告する。