『患者中心の治療』の名の下に医療は大きくMIにシフトしてきている。
医療は本来『ひと』に優しくあるべきであり最小限の侵襲で最大の効果を挙げることが期待される。しかしながら一方で侵襲の少ない治療がイコール安全な治療とは言えず低侵襲を謳った治療でしばしば重大な事故が起こっているのも事実である。
歯周治療において従来よりも外科処置へ移行するケースが減少してきていることは事実である。侵襲の少ない治療で効果を挙げれば治療に対する患者の満足度はより高いものになり外科処置に伴う精神的苦痛や生体へのダメージを回避し結果としてメインテナンスに対するモチベーション向上につながる。
一方で積極的な外科処置を要するケースも多々存在することも事実である。明示下でおこなう外科処置は確実な原因因子の除去に役立ち器具の到達生を高めひいては治療のより高い成果へと結びつく。
臨床の現場におけるこれらの選別は事実上困難であるが、今回の講演ではこの積極的な外科処置を伴う歯周治療、MIを実践した歯周治療の利点欠点を踏まえたうえでそれぞれの選択と適応について検討してみたい。