治療期間中にう蝕や歯周病の治療、矯正治療、補綴治療が終了しても「完治」と安心できないのが歯科疾患の特徴です。したがって、継続したメインテナンスやSPT(Supportive periodontal therapy)は治療効果の維持や疾患の再発・発現を予防するために必要なこととなります。治療前の状態がそれぞれ異なるように、メインテナンス・SPTではケアの内容や注意すべきこと、間隔は患者さんによって違います。しかし、最も大切なことは、患者さんが「必要なこと」と思ってもらえないと実現しません。そのために歯科衛生士は、患者さんの口腔内・全身の変化を察知できる観察力をつけたいものです。また、その原因を考えて取り除く能力・伝える能力が求められます。
これまでの「患者さんとのかかわり」を振り返り、「何が足りなかったのか」「どう対応したらよかったのか」「なぜ、継続できているのか」「今後、何をすべきか」・・・など、症例を通してお話しさせていただきたいと思います。