インターネットなど各種メディアにより、情報過多になっている現代では、患者にとって口腔内の健康に対する意識も、以前に比べて格段に高まってきている。さらに加えて歯を美しくしたいということもまたほとんどの患者の望むところであるのは言うまでもない。このように患者満足度の高い審美結果を得るには、そのゴールのハードルはかなり高くなってきたと言えよう。しかしながらいくら高い審美性を目指そうとしてもそのベースになっている咬合と炎症のコントロールがないがしろにされていれば良好な予後は望めずかえって患者を失望させることになってしまう。今回はこれらを踏まえた上で、審美ゾーンにおける歯の審美性(White esthetics)と周囲組織の審美性(Pink esthetics)の高いレベルでの確立について症例を通して解説したいと思う。