1. 第3回国際歯科シンポジウム
  2. 失われた欠損機能の回復のための歯科臨床技術の進化
  3. Ignace Naert 先生

失われた欠損機能の回復のための歯科臨床技術の進化

ホールB7 2011年10月23日日 (12:30〜17:30)

Dr

Ignace Naert 先生

ベルギー/Belgium
Katholieke Universiteit Leuven
Head of the Prosthetics Section

略歴・所属学会

1977年にルーヴェン・カトリック大学の歯科学修士課程を修め(LDS)、その後、同大学の歯科補綴学科に進む。現在は同大学の医学部の教授であり、1991年から歯科学、口腔病理学、顎顔面外科学部内の補綴歯学科長である。学部、修士(修復歯科学修士)、博士課程で補綴学分野の教鞭を取っている。研究対象は、補綴治療後の臨床的追跡研究、低密度の骨におけるインプラント治療の予後を改善するための動物実験、インプラントの負荷が骨のモデリング(およびリモデリング)に与える影響等である。教授は、本分野で専門誌に150以上の論文を著者あるいは共著者として発表し、数冊の教科書の著者(共著者)である。また、国際的ないくつかの歯科学専門誌の編集委員であり、さらに他の雑誌ではレビュアーも務める。2007年と2008年にはIADRのインプラント研究グループ長を務めた。レーザー焼結フレームワークに関する研究においても積極的に関与し、レーザー焼結機器を製造するスピンオフであるLayerwise社の共同設立者である。同分野でも専門誌に190以上の論文を著者あるいは共著者として発表し、専門分野に関する教科書10冊の著者(共著者)であり、専門誌の編集委員や他の雑誌のレビュアーも務める。


要旨

過去から現在へ ― 25年間のオーバーデンチャーの経験を踏まえて ―

本プレゼンテーションの目的は、インプラント支持型オーバーデンチャーによる補綴処置の臨床効果について伝えることである。今日、インプラントを用いたオーバーデンチャー(OD)は、下顎を1本のインプラントで支持したODから、上顎を6〜8本のインプラントで支持したODまで様々である。これまで、ODは主に経済的要因、顎堤の状態によって選択が判断され、あくまでも固定式補綴治療としてのインプラントの代用と考えられてきたが、ここ数年にわたってエビデンスが蓄積され、新たな見識をもたらした。

実際、歯を失った患者に対して歯科医が「貴方は何を望んでいますか?」といった間違った質問をすると、大半の患者は「固定した歯」と答える。これは、無歯顎の下顎については恐らく真実であるが、上顎に関しては、発すべき正しい質問は「我々の患者への最善策は何か?」である。答えは、主に診察時の顎吸収の程度に基づいて、時には固定式、時には可撤式であるというものである。

いずれの方法にも長所と短所がある。可撤性・固定性ハイブリッド補綴(R-FHP)と呼ばれる新規の概念では、可撤式と固定式の2種類の方法の最善部分を組み合わせている。実際、審美性、発声、唾液の分泌不足が最適に管理され、補綴物がほとんど動かないという感覚が、中程度から高度に吸収された無歯の上顎を有する患者の快適性をさらに増すと考えられる。この概念についても取り上げてみたい。

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