「日本歯科衛生学会第14回学術大会」が開催されました

 9月14日(土)~16日(月・祝)の3日間にわたり、福岡県福岡市の福岡国際会議場にて「日本歯科衛生学会第14回学術大会」が開催され、2,290名が参加され盛会でした。
 「治し支える歯科医療をめざして」をメインテーマに、特別講演、教育講演、シンポジウム、県民フォーラム、研究討論会、ワークショップ、ランチョンセミナー、口演発表30題、ポスター発表152題が行われました。
 大会長は、公益社団法人 愛知県歯科衛生士会の長縄弥生会長でした。

 特別講演は、「認知症の人の口を支えるために:歯科治療ガイドラインからの提言」との演題にて、東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長の平野浩彦先生がご講演されました。
 わが国における認知症患者の急激な増加により、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が発表され、歯科医師の認知症対応力向上研修実施が明文化されており、歯科衛生士を含む歯科医療従事者に対して、認知症の人への歯科診療等を通じて口腔機能管理を適切に行うが公的に求められていることを受け、令和元年6月に「認知症の人への歯科治療ガイドライン」が発刊された。今回の講演では、そのガイドラインの趣旨を踏まえた、歯科医療従事者と認知症の人の口を支える視点について、どのように考え対応してゆくべきかといった内容を中心に分かりやすくご紹介されました。

 教育講演は、「適切ながん口腔支持医療の提供のために」との演題にて、国立がん研究センター中央病院歯科医長の上野尚雄先生がご講演されました。
 がん患者には、治療中から終末期に至るまでの長い期間、口腔に起因する諸問題が起こりやすく、がん患者の療養生活の中で「食べること」「話すこと」は、その生活の質に大きく関わる重要な因子であり、歯科が担うべき口腔機能管理がとても重要になる。今回の講演では、地域の歯科医療を担う歯科衛生士が、がん患者に適切な「がん口腔支持医療」を提供するための有用な最新情報と、これからの「がん口腔支持医療」に何が重要であるかを分かりやすくご紹介されました。

 シンポジウムは、「治し支える歯科医療をめざして」をメインテーマとして行われました。
 基調講演として「治し支える歯科医療をめざして—多職種連携の口腔健康管理—」との演題にて、藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座教授の松尾浩一郎先生が講演され、続いて講演1として「回復期リハビリテーション病棟における看護師の立場から」との演題にて、藤田医科大学病院看護部看護長の三鬼達人先生が、講演2として「療養型病院における医師の立場から」との演題にて、豊川青山病院病院長の 松井俊和先生が、講演3として「地域診療所における歯科衛生士の立場から」との演題にて、エムズ歯科予防・口腔ケアクリニックの田口知実先生がそれぞれご講演されました。

 県民フォーラムでは、「いのちと共に思うこと—頭頸部がんを経験して—」をメインテーマとして、愛知県がんセンター頭頚部外科部歯科の長縄弥生先生を座長に行われました。
 講演1として「がんを超えて生きる」との演題にて、サッポロビール株式会社人事部プランニングディレクターの村本高史先生が、講演2として「食べることは生きること」との演題にて、つばめの会の荒井里奈先生がそれぞれご講演されました。


会場:ウインクあいち
(愛知県産業労働センター)

会場入口 看板


講演会場(シンポジウム)

ポスター会場

展示会場GCブース