「日本歯科保存学会2018年度秋季学術大会(第149回)」が開催されました

 11月1日(木)・2日(金)の両日にわたり、京都市の京都市勧業館「みやこめっせ」にて「日本歯科保存学会2018年度秋季学術大会(149回)」が開催され、約1,400名を超える参加登録者があり、たいへん盛会でした。
 学術大会は、「患者の未来を守る保存治療」をテーマに、特別講演2題、シンポジウム3題、教育講演、認定研修会、ランチョンセミナー3題、講演発表36題、ポスター発表123題他が行われました。
 大会長は、愛知学院大学歯学部歯周病学講座教授の三谷章雄先生でした。

 教育講演は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野教授の髙柴正悟先生を座長に、藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座教授の松尾浩一郎先生より「OHATを用いた口腔管理と多職種連携」という演題にて、多職種連携で有効な簡潔に口腔状態を評価する方法に着目した内容について講演されました。

 特別講演Iは、愛知学院大学歯学部微生物学講座教授の長谷川義明先生を座長に、大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学教授(大阪大学歯学部長)の天野敦雄先生より「バイオフィルムの細菌学:慢性歯周炎では?侵襲性歯周炎では?」という演題にて、若年者に起こる侵襲性歯周炎に関連する歯周病原細菌について講演されました。

 特別講演IIは、広島大学大学院医歯薬保健学研究科歯周病態学研究室教授の栗原英見先生を座長に、愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座教授の嶋﨑義浩先生より「ビッグデータ解析からみえる健康寿命延伸に向けた課題」という演題にて、健康寿命延伸への足掛かりに関する内容について講演されました。

 シンポジウムIは、「食の支援を通じた地域づくり」のテーマで、名古屋医健スポーツ専門学校の森下志穂先生、愛知学院大学歯学部歯周病学講座准教授の菊池 毅先生を座長に、講演1として、愛生会山科病院消化器外科部長の荒金英樹先生より、「食を支える京都とんでも大作戦」という演題にて、講演2として、杉浦医院/地域ケアステーション「はらぺこスパイス」(栄養ケアステーション)の奥村圭子先生より、「低栄養予防事業『栄養パトロール』から見えてきたもの」という演題にて、それぞれ地域における食の支援に焦点を当てた内容について講演されました。

 シンポジウムIIは、「リバスクラリゼーション」のテーマで、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔機能再構築学講座歯髄生物学分野教授の興地隆史先生を座長に、講演1として、東京歯科大学名誉教授の下野正基先生より、「リバスクラリゼーションの課題と可能性」という演題にて、講演2として、仙台市開業 岩谷歯科医院の岩谷眞一先生より、「臨床からみたリバスクラリゼーションの現状と課題」という演題にて 、それぞれ今後の可能性・課題についてについて講演されました。

 シンポジウムIIIは学会主導型プログラムとして、「根面齲蝕治療を考える」のテーマで、福岡歯科大学口腔治療学講座歯科保存学分野教授の阿南 壽先生、愛知学院大学歯学部歯周病学講座教授の三谷章雄先生を座長に、講演1として、福島県昭和村国民健康保険診療所歯科長の福島正義先生より、「保存修復学の視点から –う蝕治療GLを中心に–」という演題にて、講演2として、東京歯科大学歯内療法学講座教授の古澤成博先生より、「根面う蝕から考える高齢者の歯内療法」という演題にて、講演3として、日本大学歯学部歯周病学講座教授の佐藤秀一先生より、「歯周病の見地から根面齲蝕を考える –歯周病と根面齲蝕の対応–」という演題にて、高齢者に多く見られる根面齲蝕に焦点を当てて講演されました。

 また、ポスター発表においては、弊社研究員・吉満亮介「BioUnionフィラー含有グラスアイオノマーセメントの溶出イオンによる抗菌性」を、木村拓雅より「新規コンポジットレジン『グレースフィルシリーズ』のサーマルサイクル後の機械的強度」を、柿沼祐亮より「プッシュオープンキャップ型G-プレミオボンド』の口腔内を想定した湿潤下における歯質接着性評価」を発表させていただきました。

 なお、次回の第150回大会は、2019年6月27日(木)・28日(金)に石川県の石川県立音楽堂にて、日本歯科大学生命歯学部接着歯科学講座教授の奈良陽一郎先生を大会長に開催される予定です。


京都市勧業館「みやこめっせ」

京都市勧業館「みやこめっせ」

A会場(講演会場)

A会場(講演会場)

ポスター会場

ポスター会場

展示会場GCブース

展示会場GCブース