材料開発

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画期的な新材料は、現場の声に応えようという
意思から生まれました。

きっかけは市場のニーズの見直しから
一般的にものづくりのスタート地点は、技術のシーズ、あるいは市場ニーズのふたつのポイントに大別されると言われていますが、今回、わたしが開発を担当した動揺歯固定材G-フィックスは、市場のニーズをもう一度見直してみようという発想からスタートしました。その発想は、従来の固定材が固まる10分という時間を患者がどう感じているのだろうか、というもの。グラグラ動く動揺歯を治療する方の大半は高齢者です。さまざまな調査の結果、歯科医院の椅子に腰掛けた状態で10分間口を開けたままでいるのはかなり辛いものである、ということが判りました。そこで、短時間で硬化する光重合素材を採用。光のエネルギーによって重合反応を司る触媒が励起され、短時間で硬化が終了するのです。わたしたちが目指したのは硬化まで10秒というものでした。

ユーザー視点の製品開発
G-フィックスにはもうひとつ、解決すべき課題がありました。それは、歯科医師の先生方の使い勝手です。従来の固定材は、触媒、液体、粉体の3つの材料を筆で混ぜ合わせて、それを筆先に乗せて少しずつ患者さまの口の中に運ぶという、非常に手間のかかる作業です。わたしたちはワンペースト化に挑戦、しかも患者さまの患部に直接注入できるようシリンジに納めました。光重合反応を利用した材料なので、光、熱に弱い。遮光性の包材を採用しつつ、材料そのものの耐熱性確保に注意を払いました。今回の案件の面白さは、このG-フィックスという製品が我々の予想以上の反響を呼んだこと。素材の混合が必要で化学反応にはある程度時間がかかるのは仕方ないと諦めるのではなく、ユーザーの立場に立って壁を乗り越えることが良い製品づくりには欠かせないと痛感しました。

大ヒットの背景とは
化学者の常識を突き抜けることで大ヒット作となったG-フィックスですが、この製品が誕生した背景には医療の現場とのコミュニケーションを非常に大切にしてきたジーシーのものづくりのポリシーがあります。通常の勉強会やe-ラーニングに加えて、歯科医療の最前線で活躍する先生をお招きするデンタル・カレッジを社内で開催するなど、常に現場の息吹を社内に吹き込もうという姿勢がニーズを見直すという行為につながったのだと思います。そして、医療の現場とのコミュニケーションを濃密に行うという点でいえば、ジーシーほど開発と営業の仲の良い会社はないという事実も大いに関係していると思います。日常的に歯科医の先生と接するDRをはじめとする営業担当者と開発者の関係性が良好だからこそ、医療の最前線の情報も開発者に届く。今後も、この風土を活かして現場で支持される製品を生み出して行きたいと思っています。