3に析出させることで、従来のガラスでは得られなかった特性が備わります。例えば、ガラスセラミックスの機械的強度は熱処理によって向上することが知られています。適切な温度で結晶化させることで結晶相が形成されます。結晶相は通常非晶質相よりも強度が高いことがあります。熱処理によってガラスセラミックスの組織が変化し、微細構造の改善により、強度が向上することがあります。そこでジーシーは、ガラスセラミックスの組成と製造過程に検討を加え、結晶構造の最適化を図り、サブミクロンオーダーの微細な結晶を高密度に析出させ、完全に結晶化した状態でも切削性に優れる二ケイ酸リチウム、イニシャル LiSiブロックの開発に成功しました。イニシャル LiSiブロックは完全に結晶化されているので、切削するだけで高い強度を有し、かつ精度のよい歯科補綴装置を製作できます。イニシャル LiSiブロックはガラスセラミックスに分類されます。ガラスセラミックスはガラスとセラミックの長所を結合した先進的な材料です。通常、ガラスは非晶質で結晶を持たないのですが、特殊な組成のガラスを再加熱し、ガラス内部に結晶を均一一方で、ガラスセラミックスが完全に結晶化してしまうと機械的強度が高すぎて加工性が悪くなるという問題が生じます。そのため比較的軟らかく切削加工しやすいブロックを所望の形状に削り出した後に熱処理を行い、この熱処理の過程で結晶がガラスマトリックスに取り込まれることにより結晶を成長させ、機械的性質を強化させる方法が知られています。しかしながら、この機械加工した後に熱処理をする方法では、熱処理の過程で若干なりとも変形などが生じるおそれがあります。結晶サイズ結晶形状結晶密度組織の微細構造結晶化マトリックス安定性マトリックス粘性ガラスセラミックスの熱処理による効果のポイントイニシャル LiSi(リジ)ブロックは、各国で特許取得済みです。結晶構造の最適化サブミクロンオーダーの微細な結晶を高密度に析出させる独自の技術
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