26ポイントイニシャルLiSiブロックは微細な結晶を高密度に析出しているため、加工中に結晶が脱落したとしても表面が均一に保たれており、チッピングが起こりにくい材料です。CEREC PrimemillFineモード加工時間 22:05小池 軍平(こいけ ぐんぺい)小池歯科医院 院長CEREC PrimemillExtra Fineモード加工時間 31:46CEREC MC/XFineモード加工時間 18:07図4 イニシャル LiSiブロックのチッピングが少なくシャープなマージン。きれいにマージン部を切削するには、チッピングが生じないよう、CAMソフトを調整して時間をかけて削る、バーを使い分けるといった点に配慮が必要でした。一方、イニシャル LiSiブロックについては、そうした調整をする必要がなく、通常のセラミックブロックと比較的して4分程度短い加工時間で、チッピングも限りなく少なくシャープなマージンラインを出せます。焼成しなくても強度を保てるので、これも10分程度の短縮となります。 成しないという選択肢、あるいはキャラクタライズするためにステインを塗布・焼成するという選択肢、どちらも選べるハンドリングの良さがあるというわけです。CAD/CAMシステムを導入することで、一度の来院でクラウン治療が可能となっています。支台歯や窩洞形成、IOSでの印象採得、加工機による修復物の製作、修復物の装着までが即日完了できることは、患者にもクリニックにとっても負担軽減となります。近年はCAD/CAMを使ったセラミック修復も可能となり、自費診療を選択したい患者にとって大きな前進となっています。CAD/CAMに対応するセラミックブロックには、さまざまな素材、強度のものがあります。初期にリリースされた高強度セラミックのブロックの場合、加工する際、ジルコニアの経年劣化に関する実験では、グレーズすると表面が荒れやすく、表面研磨のみで済ませたほうが経年劣化が少ないことがわかっています 。イニシャル LiSiブロックは、経年劣化に注目して焼焼成プロセスが不要なイニシャル LiSiブロックはメリット大日本デジタル歯科学会 理事歯科医師略歴・所属団体◎1971年 神奈川県横須賀市出身。1996年3月 神奈川歯科大学 卒業。1997年3月 神奈川歯科大学附属大学院入学 口腔外科学第一講座。1997年4月 小池歯科医院 開設。2008年 神奈川歯科大学咀嚼機能制御学講座 非常勤講師。
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