ab16メタルインレーう□窩洞形成直後ボンディング材ストレートの金属のマトリックスセルロイドストリップウェッジを入れる図9 接着の前準備として、セルロイドストリップをウェッジで固定する(a)。コンタクトが狭く、ウェッジを挿入できない症例の場合は、金属のストレートなマトリックスを挿入する(b)メリットがある1.結合強度が増す(セメントの接着性向上)2.修復物の辺縁封鎖性向上3.細菌の侵入を防ぐ4.象牙質過敏症に関して有効5.接着操作でのエラーである気泡の混入を防ぐ図8 即時象牙質封鎖法(IDS)には、さまざまなシステムでも実行可能である。IDSは、従来より間接修復で行われている遅延象牙質封鎖法 (Delayed Dentin sealing、DDS)と比較して接着強度を向上させ、最終的な間接修復物の接着耐久性に関する悪影響を軽減する。さらに、IDS層には流動性の高いレジンを組み合わせることで保護され、印象採得前に窩洞を好ましい状態にできる。IDSによるレジン充塡は、窩洞の形を小さくしてMIを実現する他、窩洞をなだらかにしてCAD/CAMシステムで製作されるインレーを加工しやすい形に整える利点もある。このように、IDSは修復物の長期的な耐久性を向上させ、患者の快適性も高める重要な技術といえる。を挿入できない症例の場合は、金属のストレートなマトリックスを挿入する(図9)。最後に、CAD/CAMインレーを試適してとりもちを付け、インレーに接着する準備が完了する(図10)。即時象牙質封鎖法 (Immediate Dentin Sealing、以下、IDS)は、歯科治療において重要な役割を果たしている(図8)。IDSとは、露出した象牙質の汚染保護と接着の観点からコーティングする方法である。従来の方法では、まず窩洞形成と印象採得が行われ、その後に暫間修復物が仮着される。次の診療で暫間修復物を除去してからCAD/CAMシステムで製作されたインレーを接着する。しかしこの方法では、仮着セメントの残留や象牙質の汚染により接着が不完全になったり、接着力が低下したりする可能性がある。そのため、IDSが推奨されている。IDSでは、形成直後の汚染されていない象牙質に装着できるため、暫間修復物の段階での細菌侵入や知覚過敏を妨げることが可能である。この方法はどのような接着まず、仮封材を取り除き、窩洞の防湿処理を行う。その後、窩洞をPMTCブラシやフッ化物を含まないPMTCペーストなどを用いて清掃し、さらにアルコール綿球で清掃する。その後、セルロイドストリップをウェッジで固定する。もしコンタクトが狭く、ウェッジ即時象牙質封鎖法(IDS)のメリット接着の前準備
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