イニシャル LiSi(リジ)ブロック テクノロジーブック
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図1図2 CAD/CAMで製作されるインレー修復の窩洞形態b: 同じう蝕を想定した場合は、左側が金属修復窩洞とすれば、CAD/CAMで製作されるインレー窩洞は右側のようになる。窩洞は、滑沢でメリハリのある曲線窩洞で隅角部は外開き(角度80~120°)、イスムスの幅は1.5㎜以上必要14ミリング時にインレー体が破折する原因応力集中を避ける曲線の窩洞バットジョイント80〜120°東京都 いばた歯科歯科医師井畑信彦c: ミリングマシンでは、ミリングバーの太さよりも細かい黄色の部分をミリングできない。機械を制御するCAMソフトは、この部分をオーバーあるいはアンダーミリングするように設定されているa: 応力集中を避けるため、曲線の窩洞とする。接着性の窩洞であることにも留意CAD/CAMで製作されるインレーには、セラミックやハイブリッドレジンなどの材料が用いられる。これらの材料は接着によって窩洞に固定されるため、金属インレーのような保持形態は必要としない。たとえば金属インレーでは、修復物を歯にしっかりと保持するために、箱型の形状が採用されてきた。また、補助的な保持を提供するために鳩尾形状が使われる。さらに、隅角(線角)や点角(3つの壁が接する部分)が設けられ、金属特有の外 製作工程の窩洞が複雑な場合、ミリング時に破折の可能性が生じる(左)。単純な形態ほどミリングを行いやすい(右)応力集中を避ける曲線の窩洞イスムス 1.5㎜以上力に対する窩縁斜面が加えられる。一方、 CAD/CAMで製作されるインレーはミリングマシンによって回転して削りだして製作されるため、角のある形状の製作が難しく、丸みのある形状が適している(図1)。したがって、 CAD/CAMで製作されるインレーの窩洞は単純で丸みを帯びており、隅角や点角は存在しない(図2)。接着性の窩洞ラウンドイスムスは1.5㎜以下CAD/CAMシステムで製作されるインレーのための支台歯形成と接着における注意点

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