ebook20240601
7/40

77300小臼歯適用の初代セラスマートを開発した後、さらに大臼歯適用に耐えられる強度のブロックを開発するには、技術的に高い壁を越える必要がありました。結果、その壁を乗り越え、セラスマート300で大臼歯適用を実現できたのは、フィラーのナノサイズ化やFSCテクノロジーだけでなく、フィラーの不定形形状や新規シランカップリング材の採用も寄与しています。不定形フィラーは、鱗りん片ぺんフィラーとも呼ばれ、物理的に比表面積が最小である球状のフィラーより表面積が大きくなります。そこに、新規シランカップリング材による処理が加わることで、マトリックスレジンとフィラーがより大きな面積を介して馴染み、強固に一体化可能となり、ブロックの強度向上に寄与しています。ジーシー研究所撮影研究員に聞いた!そこで、セラスマートではより微細なnmオーダーのナノフィラーを採用。表面に凹凸ができにくくなり、簡単にツヤが出せるようになりました。さらに、ブラッシングや咬合によるツヤ落ちがしにくい性質も得られました。表面に凹凸ができにくいという事は、対合歯も摩耗させにくいという特徴にもつながります。一方で、大きいµmサイズのフィラーを使うほうが、技術的には容易に強度を出しやすいのは事実です。ただし、ジーシーの設計思想として、歯冠材料はあくまでナノフィラーの良さを生かしながら高い強度を出すことがゴールと考えました。その実現のために、このナノフィラーテクノロジーと並行して開発した後述のFSCテクノロジーを組み合わせました。セラスマート製品開発(技術)秘話セラスマートレイヤーセラスマートプライムセラスマートコンポジットレジン開発で培った「ナノフィラーテクノロジー」充填用コンポジットレジンや硬質レジンなどでは、強度を高めるためにガラスフィラーを充填する手法が採られてきました。この場合、平均粒径が数µmのフィラーでは、表面のツヤ出し研磨に時間がかかり、また、口腔内ではブラッシングや咬合によりツヤが低下してしまいます。全シリーズにナノフィラーを採用セラスマートのナノフィラーは不定形❶

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る