ebook20240601
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4九州歯科大学 口腔再建リハビリテーション学分野1Division of Occlusion & Maxillofacial Reconstruction, Kyushu Dental University, 2Division of 1九州歯科大学 顎口腔欠損再構築学分野,2九州歯科大学 LD教育推進学分野,3九州歯科大学 生体材料学分野,2525図1エンドクラウンの構造髄室保持部CRによる裏層Promoting Learning Design Education, Kyushu Dental University,3Division of Biomaterials, Kyushu Dental University,4Division of Oral Reconstruction and Rehabilitation, Kyushu Dental University■EvidencebasedEndocrownⅠ.はじめに令和6年度の診療報酬改定でCAD/CAM用レジンブロックを使用したエンドクラウンが新たに保険収載されることとなった.CAD/CAM用レジンブロックはいわゆる保険診療のCAD/CAM冠に使用され歯科材料として広く認知されている材料であるが,エンドクラウンという補綴装置に関する国内の情報は少ない.本稿ではエンドクラウンの特長や従来型CAD/CAM冠との違いについて解説するとともに,CAD/CAM用レジンブロックを使用したエンドクラウン修復ついて紹介したい.Ⅱ.エンドクラウンの構造と特長エンドクラウン修復のコンセプトは,根管充塡後の支台歯に対して従来のようなポスト&コアによる支台築造は行わず,髄室と歯冠部を単一の材料で修復するというものである.そのため,エンドクラウンは歯冠部と髄室保持部の構造が一塊となったモノリシックな補綴装置となっている(図1).このモノリシックなエンドクラウンの構造は,近年製作されることがほとんどなくなったポストクラウン(歯冠継続歯)と混同されやすいが実際は全く異なる補綴装置である.かつてのポストクラウンは,太く長いメタルポストを歯質接着性のないリン酸亜鉛セメントを用いて支台歯に合着し保持するものであった.そのため,歯根部歯質の削除量が多くなりやすく,歯質との一体化も不十分であり重大な歯根破折を引き起こすリスクが高かった.一方,エンドクラウンはポスト形成を行わず,髄室へ2〜5mm程度の保持部を挿入し,接渡辺崇文1,吉居慎二2,池田弘3 ,正木千尋4Watanabe T1, Yoshii S2, Ikeda H3, Masaki C4知っておきたい、新たに保険収載されたエンドクラウンとは?

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