歯ブラシ12,000回刷掃後のセラスマートレイヤー表面の光沢(ツヤ)確認写真(左)とその表面のレーザー顕微鏡による表面3D画像(右)。ブロック表面のツヤが維持できていること、表面に明確な歯ブラシ痕が見いだされないことが確認されます【07】。加工後の前歯クラウンA2ELEL=Esthetic Layerまた、他の研究グループによる報告でも、歯ブラシ摩耗試験でのレーザー顕微鏡観察において、同様の結果が示されています。セラスマートレイヤー群で12,000回刷掃後に歯ブラシ痕の凹凸は見られるものの、刷掃回数6,000回と12,000回の結果にRa値に統計学的有意差がなく、その表面粗さの値は、比較された前歯部用CAD/CAM冠ブロックのなかで最小でした【06】。ブロック外観A3ELエナメル層ミドル層デンチン層A2ELA3EL19光沢維持性・耐摩耗性評価セラスマートシリーズは、ナノフィラーの採用により、摩耗による光沢の低下を起こしにくくなっています。特に審美性が要求される前歯部用セラスマートレイヤーでは、歯ブラシ摩耗試験で、12,000回の歯ブラシ刷掃の表面粗さRa値が、比較対照とした前歯部用CAD/CAM冠材料と比較して有意に低く、光沢が維持されていたことが報告されています【07】。同検証では、セラスマートレイヤーが刷掃回数6,000回と12,000回の結果Ra値に統計学的有意差がない点も明らかになりました。これは表面粗さの上昇が抑制されていることを意味し、審美領域に使う材料としてより優れていると考察されます。前歯部の使用に適した審美性セラスマートレイヤーは、前歯に最適なマルチレイヤー構造となっています。エナメル層+ミドル層+デンチン層からなる3層が天然歯に近い審美的な色調を再現します。独自製造技術により、各層の界面が目立たない自然なグラデーション構造を実現しており、加工後も天然歯のような自然な仕上がりになっています。3点曲げ試験においても各層移行部の破断は確認されていません【06】。また、審美面での要望に応える形で、2023年よりジーセム ONE neoのラインナップに加わった新しい色調が、メタルコアオペークシェード(MO)です。遮蔽力が高く、加工後もメタルコアや変色支台歯の色調が透けにくいという特長を持っています。
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