セラスマート テクノロジーブック
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543210破壊エネルギー値アスタリスクは、乾燥状態と1年間の浸漬の間の有意差を示します(*;p<0.05、**;p<0.01)。参考文献:MechanicalPropertiesofHybridResinBlocksImmersedinaWaterforone-Year(KakinumaHiroaki,SasakiKeiichi(TohokuUniversity))292.0(11.8)250.6 (10.8)**4.18 (0.49)143.27 (0.39)**曲げ強さへの要求度は、大臼歯部適応では殊更に高くなります。そこで、セラスマート300について、Hibinoら【09】は、37℃での水中に7日間浸漬に加えて、より過酷な条件となる口腔内での2.5年経過を相当したサーマルサイクル条件(5℃⇔55℃ 10000回)【10】での強度劣化についても評価しました。その結果を考察した場合、セラスマート300はこれらの条件下においても劣化が最小であり、特に優れた3点曲げ試験結果を発揮し、マトリックスレジンの選択が有効に寄与していると考えられます。大臼歯への適応では特に大きな破壊エネルギー値、すなわちより大きな咬合圧に耐える靭ねばり強さが求められます。セラスマート300では小臼歯や前歯適応のブロックを大きく上回る値が得られました。さらにKakinumaらの報告【11】によると、1年間の水中浸漬によるエイジング後においても曲げ強さの低下が限定的であり、かつ、破壊エネルギー値が大きいことが示されました。特に後者はセラスマート300の大きな特徴となっています。CERASMART 300吸水後=37℃水中浸漬7日後吸水後吸水後ジーシー研究所 データDryDry吸水後Dry1年間の水中浸漬によるエイジング後も高い破壊エネルギー値を示し、 機能区分(Ⅲ)の物性基準値(3点曲げ強さ240Mpa)を越えていることがわかります。(N・cm)セラスマートレイヤーセラスマートプライムセラスマート3003点曲げ強さ[MPa]ドライ1年間水中浸漬破壊エネルギー[N・cm]ドライ1年間水中浸漬破壊エネルギー値評価3点曲げ試験においては、曲げ荷重値とその変位(ストローク)カーブの積分値から破壊エネルギー値が算出されます。これは材料が破断するまでに加えられる総エネルギーの事で、破壊エネルギー値が大きい材料はより破断しにくく、「靭い (ねばい;tough) 」と表現されます。前項の3点曲げ試験より導き出された破壊エネルギー値のデータは右図の通りであり、いずれも臨床に耐えてご使用いただけています。

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