9次のページからは、これら基盤技術ならびに各製品特徴ごとのテクノロジーを合わせた製品紹介をさせていただきます。形態を維持しつつ流れるチキソトロピー性チップの先端で細かい振動を与えると流動性が生じるチキソトロピー性を有しているため、付形しやすい一方、窩底・窩壁にもよくなじみます。チキソトロピー性を付与することで、CR充填においては、充填後にインスツルメント先端で細かい振動を与えることで、CRを自在に付形したり、窩底・窩壁にレジンをなじませることができます。チキソトロピー性を各製品特性毎に適切に付与することにより、それぞれに適した操作性を実現しています。ジン流し込みから咬合面の付形までシリンジ1本で可能な流動性を「オン・オフ」できる特性を付与しています。(15ページ参照)チキソトロピー性とは、レオロジー(流動学)で説明される流動性の特徴を表す言葉であり、物体に刺激や振動などで力を加えることで粘度が下がる性質を指します。例)練和直後の石こう(バイブレーターで流動する現象)、建設現場のセメント・モルタル、生クリームなどライニングにおける凹凸に行き渡らせた窩底整理、バルクフィルでの深い窩洞へのレジン流し込み、盛り足した咬頭形態の形成やその他の形態修正などチキソトロピー性を利用したレジンでは盛り足しと細やかな形態修正が可能になります。グレースフィルゼロフローでは咬頭隆線を描きながらレジンを吐出し、盛り足した形態が保持されるのでこれにより歯冠形態を築盛することができます。レジンコーンテクニック(12ページ参照)のように個別の咬頭を築盛した後で咬頭を維持したまま交点をなじませて小窩を形成したり、探針などで振動を与えて形態修正を行えます。このようにチキソトロピー性の特性を利用すると、自然な天然歯形態を短時間で再現できます。同じくグレースフィルバルクフローではチキソトロピー性を利用し、バルクフィルに対応して、窩底へのレ操作性の例グレースフィルゼロフローの例ニードルをハンドインスツルメント代わりに使用し、細かい振動をチップ先端に与えると粘度が下がり、積層した境界部が次第になじみます。グレースフィル ゼロフローを3回に分けて積み上げた状態。形態保持性に優れるため、積層した境界が明瞭です。細かい振動を数秒行うと、完全になじみ一体化し、境目はわからなくなる。良好な形態保持性もあり、チキソトロピー性を有しています。レオロジー調整(チキソトロピー性付与)CR技術紹介
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