コンポジットレジン テクノロジーブック
20/27

ll0 avivruSevitaumuC20Groups20,00030,00040,000Cycles to FailureFailure ModePossibly reparable(修復の可能性あり)Catastrophic(壊滅的で修復不能)G1DIRECTG2DIRECT SFRCG3INLAY SFRC BASE50,000100%80%60%40%20%0%10,0000%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%G1:DIRECTG2:DIRECT SFRCG3:INLAY SFRC BASEReparable(修復可能)重合収縮によるクラック(>3mm)が、直接修復を行ったG1,G2の標本(66%〜83%)で見つかったが、CAD/CAMインレーを用いたG3では見つからなかった。荷重試験後のG3の生存率は、G1,G2よりも優れていた(Kaplan-Meierなど)(図4)。SFRCを使用しないG1は、生存率が最も低かっただけでなく、100%壊滅的な破壊を示した(図5)(G2,G3ではそれぞれ42%と17%)。咬頭が大きく欠損した大型MOD修復物は、SFRCベースのCAD/CAMインレーによる修復が最も長く生存し、破壊時も修復可能なものが多かった。重合収縮によるクラックの発生も見られなかった。低コストの修復物を選択する必要がある場合、SFRCをベースとすることにより、その上に直接充填する修復物の生存率と破壊形態が大幅に改善される。図4Kaplan‐Meier生存曲線縦軸に修復物の生存率、横軸に荷重を掛けたサイクル数を示す。ベース材料としてエバーエックスフローを用いたG2,G3ではPFC(GRADIADIRECT)だけで充填したG1に比べてより長期に修復物が生存している(破壊に耐えている)ことがわかる。図5各グループの破壊形態分布(上部FailureMode)と各   (a)修復可能、(b)修復の可能性あり、(c)壊滅的で修復不能修復可能    :CEJ(セメントエナメルジャンクション)よ壊滅的で修復不能:CEJよりも歯根側を含む修復不可能な大き破壊形態の例示り歯冠側の破損な破壊体化した接着が重要とされています。エバーエックスフローの象牙質接着性が良好である21)こと、良好なファイバーポストとの密着性24)に加え、三浦ら25)の報告ではCAD/CAM冠とのせん断接着強さは従来型の支台築造用CR(PFC)と遜色ないと報告されています。エバーエックスフローは保険適用が認められており、リスクに応じてCAD/CAM冠を用いた保険治療でもお使いいただける材料となっています。本論文では、エバーエックスフローをベース(象牙質代替)材料として使用することにより、荷重に対する耐久性と万が一の際の修復可能性にポジティブな効果を示すことが示唆されました。本材料が修復治療に付加価値を提供するものであると考えられます。また、CAD/CAM冠との併用においてより良好な結果が確認されました。歯冠修復や補綴歯科治療の良好な経過を得るためには,咬合時の荷重に耐えられる材料とその下部にある歯質を含めた構造との界面での強固に一結果結論

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る