ないかと思うのです。歯科衛生士の求人には苦心しているのが現状です。人が足りなくなって慌てて募集を出して選ぶ余裕もなく、とにかく来てもらうという状況ですと、お互いに不幸です。教育機関と接点を持ち、定期的にフレッシュな人材を受け入れ、新しい風を入れられればと思っています。近未来の発展のため教育システム構築を「わかってるんだけど、できないんだよな」 ここまで私の話を読んで、そう心の中でつぶやいた院長もいらっしゃると思います。かつての私もそうでした。やらなければいけないとわかっていても、目先の診療や経営に忙殺されてしまいます。 ただ、目線を少し先の近未来に見据えると、教育システムをしっかりしないと診療も経営も結局うまくいかなくなってしまうのではないでしょうか。取り組み始めた当初はとても大変です。何度もくじけそうになりました。でも、一度最低限のマニュアルなど軸になるものができあがれば、自然に回り出していきます。すると、スタッフが主体的に行動してくれるようになりますので、院長の負担は格段に減ってきます。 だから、どこかで踏ん張らないといけないのだと思います。もし、スタッフ教育を強化したいと思われている院長がいらっしゃるとしたら、医院の未来のため、今が踏ん張り時だと思います。マニュアルを土台に主体的に行動 私がアーツ歯科に入職し、5年が経ちました。仕事をするうえで、最低限の基準を持つことができるという観点からマニュアルはとても重要だと思います。 スタッフ間でコミュニケーションを取るうえでも、マニュアルという土台に立って話すのと、何もない状態で話すのではまったく違ってくると思います。やはり、基準がないと迷ったり、戸惑ったりすることがあると思います。よくマニュアルがあると頼りすぎてしまって、主体的に動けないのではないか、というお話しを聞きますが、当院ではそういったこととは無縁だと思います。マニュアルが基本的な土台や軸としてあるので、あとは状況を判断して誰に指示されることもなく、今はあうんの呼吸で助け合って仕事をしています。 季節ごとの院内の飾り付けやインスタグラムでの情報発信なども、院長に指示されたわけではなく、スタッフが自発的に行っています。セミナーで視野を広げスキルアップ 私にとってセミナーでの研修は、とても重要だと感じています。知識や技術を学ぶという側面もありますが、最近ではそれ以外の価値を見いだしています。 以前ジーシーが主催した、スタッフ同士のコミュニケーションをテーマにしたセミナーに参加しました。内容はグループワークが中心でした。ディスカッションを通して、他の医院の悩みや考え方、コミュニケーションの仕方などを知ることができて、とても新鮮でした。大半を医院の中だけで仕事をしていますので、どうしても視野が狭くなりがちになってしまいます。 今はコロナ禍ということもありなかなかこうしたセミナーに参加するのが難しい状況にありますが、今後もWebセミナーなども含めて積極的に参加し、視野を広げていきたいと思います。⻭科衛生士清田久美子さんKumiko KiyotaDental Hygienist Interviewマニュアルはコミュニケーションツールの一つかもしれませんFile #1 | Arts dental clinic9
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