【体験版】3歯科医院の取材からみえた やりがいとしあわせをつなげるスタッフマネジメント
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どを活用しています。年に一回は必ず参加することを義務づけています。これは採用の時からお話をして、納得したうえで入職してもらっています。一つのセミナーを受けるのは原則一人で、ミーティングで内容を説明してもらいます(図❹)。当初は十分に横展開できるか不安だったのですが、全員しっかり内容を話せるようになって帰ってきましたので、心配は杞憂でした。かなり吸収してくれているのだと手応えを感じています。 スキルアップという観点でいうと、当院に勤務していた歯科助手が、勉強して資格を取り歯科衛生士になりたい、と希望してきたことがありました。私や他のスタッフも含め、当然応援することにしました。彼女は17時まで歯科助手として働き、早上がりして歯科衛生士学校の夜間部に通い始めました。17時以降は忙しくなる時間帯ですが、スタッフ皆でカバーしました。その結果無事卒業し、新たに歯科衛生士として働いてもらったという例もあります。スタッフ一人一人が向上心を持って仕事に取り組んでもらっています。実習生を受け入れ求人対策 2018年10月から当院は医療法人化しました。厚生年金に加入することで、スタッフの福利厚生の充実を図ることができると考えたからです。こうした努力が実を結んだのか、現在、スタッフの定着率は非常に高いです。平均就業年数は4.5年。ここ3年は人の入れ替わりはありません。ただ、いつ求人をしなければいけない状況になるかは分かりませんので、求人の仕方にも工夫が必要だと考えています。 当院では、歯科衛生士学校と連携し、実習生を受け入れています。これによって受け入れ先の医院として、学生の間でも当院の情報交換がなされると思います。すぐに就職希望者が殺到するわけではないと思いますが、学生が応募するときのハードルは下がるのでは図❹ ミーティングの風景アーツ歯科のスタッフマネジメントのヒント求人対策で実施しているポイント○歯科衛生士学校の実習生の受け入れ、新しい風をいれる○教育機関と接点をもつことで歯科医院を認知してもらう機会に●スタッフを中心としたマニュアル作りが院内の基準・骨格になり、スタッフ間のコミュニケーションも円滑に●ゆとりある人員配置で余裕が生まれ、スタッフの定着率が向上。新たな提案やアイデアが出てくるように●年に一回外部のセミナーや講演会を受講。受講者がミーティングで内容をシェア●教育機関と接点を持つことで、学生に認知してもらい応募するときのハードルを下げる8

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