【体験版】3歯科医院の取材からみえた やりがいとしあわせをつなげるスタッフマネジメント
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技術・ホスピタリティにバラツキ「まずは、ベテランの歯科衛生士さんが必要だ」 開院当初の私のスタッフ教育への認識はこの程度でした。それよりも、何とか経営を安定させるために経費を削減し、利益を上げることばかり気になっていました。それでも、開院2年くらいは大きな問題は起きませんでした。順調に患者さんも増えて、スタッフも6名に増員していました。すると、あることに気づいたのです。当院は担当制を敷いていたのですが、歯科衛生士によってスキルのレベルに少しバラツキがあることがわかってきたのです。治療技術的なバラツキはもちろん、患者さんに対する接し方、ホスピタリティの面でも人によってさまざまでした。考えてみれば当然です。当院には、基準となるものがなかったのです。歯科衛生士任せにしていれば、バラツキが出るのは必然でした。また、私の考えている経営理念も十分に伝わってないのではないかと思うようになりました。1年かけて苦心のマニュアル作り このままではいけない、と思った私がまず始めに手がけたのが、マニュアル作りです。といっても、私は目次しか作りませんでした。具体的な中身は、スタッフ同士で話し合いながら作ってもらいました。自分の考えを押しつけたくなかったからです。内容は患者さんへの対応に始まり、受付、治療、片付けに至るまで網羅された最低限の基準です。項目ごとに議論し、ブラッシュアップしていったのでおよそ1マニュアルとゆとりある人員で定着率向上院長厚澤賢洋 先生Masahiro AtsuzawaFile #1 DENTAL OFFICE PROFILE 開業: 2011年10月(2018年10月に医療法人化)ユニット数:4台スタッフ数:歯科医師1名、歯科衛生士7名(常勤5名、非常勤2名) 歯科助手1名患者さんは高齢者から子どもまで幅広い。一日平均約45人来院。東京下町の商店街。小岩駅から歩いて3分の商業地域。東京都江戸川区アーツ歯科With the staff6

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