開咬目標は“将来の難症例”を作らないこと!!こんな感じになってしまうかも???過蓋咬合クレンチング,咬唇癖など正中のずれ 口腔習癖は歯列に影響を与え,不正咬合を招くこと自体にももちろん問題がありますが,成人の欠損症例の経過が悪いと判断できる難症例のほとんどに,何らかの口腔習癖が関与していると考えるようになりました. 当院で欠損補綴処置を行った症例で,その後も欠損の進行が止められない難症例を分析すると,「前歯部の咬合接触がなく,臼歯部に負担がかかる開咬の問題」「咬み合わせが深くて,臼歯部に負担がかかる過蓋咬合の問題」「歯列の歪みにより,歯への負担に大きな左右差が生じる正中のずれの問題」など,力の問題があると考えています. そこで,このような症例に対し「難症例になる前の段階,小児の段階で口腔習癖の改善に取り組み,治せないだろうか?」と考えるようになりました. 特に,成人で対応が難しいと考えている症例のなかで,機能の問題が少なからず影響していると考えている「開咬」「過蓋咬合」「正中のずれ」を引き起こさないように,小児の段階で対応できたらと考えています(p.10〜参照).舌癖,口呼吸など偏咀嚼,態癖など将来の難症例と考えている3つの不正咬合▼▼▼4口腔習癖はなぜ問題か? 〜成人の難症例との遭遇
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