GC技工冊子_p02-32_34dxs_体験版
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● ラスターペーストは、粘性が高く従来の塗るステイン材とは異なり、盛るようなステイン材であり焼成後に厚みがある。筆者の使用法はシェード写真がなくシェードを指定された症例に使用する。なぜなら、シェードガイドを表現するベースシェード用の色調がラインナップされているからである。● スペクトラムステインは、ラスターペーストより彩度が高く、鮮やかな色調を有する。筆者はシェード写真が存在し、かつ個性的な表現が必要とされる症例に使用する。図1  シェードテイキングの状態。   (写真のシェードタブは左からA3.5、C3)ラスターペーストスペクトラムステイン2種類のリキッドで粘度あり調整可能 の色調再現を要求された。不正咬合で切縁方向から咬合圧が与えられるため、フルジルコニアでの製作が望まれた。使用箇所ベース色ベース色・キャラクタライズ※1:VITAクラシカルシェードのA3.5図2 フレームの表面性状の様子。対応色調表現シェードガイドを表現個性的な表現目標歯を阻害しないことがわかる歯頸部色 A3.5※1と同等の明度を有する。彩度はA3.5※1よりオレンジ色にシフトしている。中央部 切縁部 テトラサイクリン歯の傾向があり歯冠中央部を境目に明度が変化している。中央部エリアから歯頸部方向へかけて移行的に透明層がかかっているのが確認できる。透明層の色調は明度低下が起こりやすいグレー色ではなく、若年層の歯牙によく観察されるブルー色が観察される。またその上にも一層白く斜がかったような色調が観察される。23 本症例において  平面的なステインを擬似的に立体的と感じさせるためには、色調の選択も勿論ながら塗布する順番も大きく影響すると考える。なぜなら天然歯のキャラクターの深度の再現を試みるからである。ジルコニアディスクを削り出した状態 細かな表面性状が付与されていないことがわかる(図2)。モノリシックジルコニアにおける表面性状は本来はデザインソフトにて設計時に表面性状を付与し加工後の状態で再現されていることが理想ではある。しかし、後のステイン塗布を考慮すると表面性状があることによりジルコニアの表面が整っていない状態になる。よってステイン塗布には不利と考え現段階では細かな表面性状が付与されていない。この状態において必要であれば最小限のカラーリングリキッドを使用し、完全焼結を行う。 の修復が求められた(図1)。Case presentation 01 色調合わせが必要とされる表面性状が少ない症例支台歯の観察目標歯の観察 表1 使用法と特徴

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