Withコロナ時代に新たな気づきや生活・行動の変化がおこり健康の大切さを意識するようになりました。
本コンテンツは、「 チョット役立つお口の情報 」をコンセプトにエッセイを中心にご紹介いたします。
プラークコントロールと食洗機
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科
歯周病学分野 准教授
歯周病の治療は、専門的な治療だけでなく、患者さん自身のケアも重要です。上手に歯磨きができるように口腔清掃指導を行うことも、治療の一環です。“歯科医院での処置”と“患者さんの歯磨き”の二人三脚で治療を進めます。
たまに、こんな患者さんに出会います。
「歯ブラシはあまりしないけど、マウスウォッシュで口をゆすいでいます。」
もちろん、むし歯予防に有効なフッ化物洗口液や歯周病予防をうたう洗口液もあり、セルフケアのよい手段のひとつです。しかし歯に付着したプラークは、ブラッシングでしっかり落とさなければなりません。
そこで、こんな例え話をします。
「カレーを食べた後のお皿って、サッと洗い流すだけでは油汚れが残ってしまいますよね。食洗機で洗い流すにしてもなんとなく不安だから、スポンジでしっかりこすって細かい所まで汚れを落とすイメージで、歯についた汚れもブラッシングが必要なんです。」
すると、ある患者さんはこう言いました。
「それが先生、最近の食洗機って、凄いんですよ!」
最近の食洗機を知らなかったのですが、患者さんから聞いた日進月歩の技術向上に、頭が上がりませんでした(笑)。
さて、プラークの除去には、手動での歯ブラシでも、電動の歯ブラシを用いてもよいです。歯ブラシの毛先を歯に適切に当てられれば良いのです。
また、歯ブラシに加えて、細かい部分のお掃除が得意なケア用品も使いましょう。歯と歯肉の間や、歯同士がピッタリくっついた狭い隙間には、デンタルフロス。歯ブラシでは届きにくい歯の側面や隙間には、歯間ブラシ。
そして、プラークを取り除けたあとにマウスウォッシュをすれば、薬効成分が歯にきちんと行き渡り、更に効果抜群ですよ。