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SESSION 28

みなさんにぜひ聞いて欲しいんです。
食・生活・機能のこと。
~超高齢社会を支える歯科の役割~

モデレーター・講師:平野 浩彦 先生
寺本 浩平 先生・小原 由紀 先生(DH)・菊谷 武 先生

 本セッションは、高齢期における口腔機能の維持・管理をテーマに行われた。
寺本浩平先生は、要介護高齢者においては、治療による改善だけではなく、摂食嚥下機能障害などに対する支援的な視点をもってかかわる必要があるとし、患者本人の納得する治療を行うことで改善へ導いた実例などを供覧された。

 小原由紀先生は、これからの超高齢社会において、歯科衛生士は地域の歯科医院や通いの場での生活支援が期待されていると述べ、高齢者の口腔健康を管理する方法について、生活背景や性格を踏まえた実践的な指導を解説された。

 菊谷 武先生は、人生の最終段階で人がどのような口腔の経過を辿るのかを知れば、高齢者に対する治療方針が変わるとし、終末期において残存歯やインプラント治療が肺炎や誤嚥などのリスクにならないような処置を行うべきであると述べられた。

 モデレーターの平野浩彦先生は、オーラルフレイルに関するエビデンスや最新の知見を示し高齢期における口腔機能の維持や管理について解説された。そして、健康寿命延伸のため歯科ができることは口腔に関するささいな衰えを軽視せずに啓発し、異常に気づいてもらうことであると訴えられた。