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SESSION 19

再生歯科医療の今と未来

モデレーター・講師:村上 伸也 先生
江草 宏 先生・SCULEAN, Anton 先生

 村上伸也先生をモデレーターに、再生歯科医療の現状と将来展望について講演が行われた。

 江草 宏先生はiPS細胞の再生歯科医療への応用について解説された。歯肉の線維芽細胞をiPS細胞のセルソースに使用できるとする研究結果は得られているものの、実際の臨床応用には非常に高いコストの問題がクリアできていない点を指摘。そのうえで、コスト面の問題もクリアし得る、iPS細胞から優れた骨形成能をもつ骨補填材を作製する技術の確立について解説された。

 SCULEAN, Anton先生は歯周組織再生の生物学的な背景について解説された。また、ヒアルロン酸の使用が歯周組織の創傷治癒に寄与するのかについて実験結果を示し、考察された。また、新しく開発された骨補填材としてサイトランスグラニュールについて言及し、非常に扱いやすく、既存のバイオマテリアルと同様の再生がみられたと述べられた。

 村上伸也先生は塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)によるセメント質や歯根膜の再生について、臨床例を交えて解説された。また、リグロスとサイトランスグラニュールの併用に関する実験について報告され、安全性と有効性が認められるとする見解を示された。