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SESSION 10

アップデート臨床予防歯科!
最新研究と患者さんを動かす㊙テクニック

モデレーター・講師:天野 敦雄 先生
福原 あゆみ 先生(DH)・有水 智香 先生(DH)

 モデレーターの天野敦雄先生は、う蝕と歯周病を防ぎ、“健口”を守るために必要な最新バイオロジーをテーマに講演。天野先生は、う蝕と歯周病の発症原因はmicrobial shiftであると述べ、現在の科学では常在菌を追い出すことはできず、患者さん一人ひとりのバイオフィルムの病原性に合わせた管理がこれからの予防歯科に必要であると説かれた。

 福原あゆみ先生は3症例を供覧し、歯周治療において最も重要なのはセルフケアの確立と維持であり、そのためには歯科衛生士が患者さんのモチベーションに働きかけることが大切であると述べた。とくに「なぜその口腔清掃器具や歯磨剤を使うのか」を患者さんに納得してもらい、興味を惹くように促すことが有効で、臨床での実践例を提示された。

 有水智香先生は、全身状態の悪化によって口腔環境が大きく変化する場合があり、とくに入院患者さんの場合、より注意深く全身状態を見極めながら口腔管理を行う必要があると指摘された。さらに、入院患者さんにおいて、口腔の健康を守るうえでかかりつけ歯科医院がいかに重要な役割を果たし、とりわけ個々に合わせたオーダーメイドの歯周治療が有用であるかを、臨床例を交えて解説された。