CASE PRESENTATION

GC友の会会員誌GC CIRCLE 93号より
新しいコンセプトの
グラスアイオノマー系レジンセメント
フジルーティングの臨床例
 
東京都墨田区・中沢歯科医院
立石 淳


 臨床に新製品の導入を検討する際、通常、その性能、操作性、価格の3点を考慮するが、今回発売されたフジルーティングは、これらがかなり高いレベルで満たされているようである。とりわけ操作性が著しく向上しており、今後の展開にも期待が持てる。
 いわゆるレジン強化型グラスアイオノマーセメントであるが、フジリュートと異なり、ペースト-ペースト型となっている。専用の精密なディスペンサーは扱い易く、使用量を自由に調節でき、常に正確な比率でセメントが得られる。セメント自体は表面処理をせずに歯質、金属、陶材等と接着するよう改良されている。ペーストの感触に特長があり、垂れたり流れたりせず、被着面に一定の厚みとして確保できる。見かけに反して流動抵抗が小さく、圧接するとスムースに広がり、被膜厚さも3μmと薄い。このため必要以上の量を使用しなくとも複雑な形態の補綴物の隅角部や辺縁まで不足することなく行き渡る。圧接後の余剰セメントはマージン上にとどまり、初期硬化を待ってからでも除去し易い。硬化時間は短めだが練和操作が速やかに行えるため、操作時間に余裕があり、追加練和も簡単なことから、多数歯の同時合着にも充分対応できる。合着後の硬化はシャープで感水の心配も少ない。また、ディスペンサーやセメントの性状の工夫で無駄が出にくく、実際のコストも従来品と同等以下に抑えられている。
 以下にフジルーティングの使用例を手順を追って示す。


1
ディスペンサーにカートリッジを取り付ける。
2
所定の位置で回転させる。
3
裏面のレバーを押し込み、セットが完了する。
4
この状態で保管しておけば、ただちに使用できるが、着脱操作は容易である。
5
通常どおり支台歯を清掃後、乾燥。
6
別売のコンディショナーで歯面処理をすると接着強度が増す。
7
ディスペンサーのレバーは軽い力で操作可能で、使用量の調節も楽に行える。
8
ペーストは正確な比率で押し出せる。計量操作の手間がなく均質なセメントが得られる。
9
未練和部分が残らないよう練和紙をできるだけ広く使用する。
10
練和したペーストはスパチュラから垂れない。
11
内面に一層塗布するようにセメントを填入する。圧接時の流れが良いので過剰に填入する必要はない。
12
圧接すると最初は抵抗を感ずるが、スムースに沈み込む。
13
溢出したセメントはマージン上にとどまる。
14
初期硬化後、余剰セメントは探針等で容易に除去できる。
15
合着終了。一連の合着操作を、従来よりもストレスなく確実に行うことができる。

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