Product development secret story
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で常に湿っています。また、咀嚼により繰り返し負荷がかかっています。そんな環境で長期間安全に機能をキープするために、高い信頼性が求められます。他にも歯科用セメントは歯の穴を埋める修復用や、お子さまの奥歯をむし歯から守るシール剤(シーラント)としてなど、歯科治療の様々な場面で使用されています。 グラスアイオノマーセメントは化学的反応中に唾液や水分に触れた場合、しっかり固まらなくなってしまいます。そのため、お口を乾燥させた状態で硬化まで15分〜20分程度待つ必要があり、患者さんの大きな負担になっていました。 次ページからのお話は、グラスアイオノマーのそんな弱点の解決に挑んだ、知られざる日本のものづくりのストーリーです。ラスアイオノマーは歯髄に刺激が少なく生体になじみ、排除反応を引き出さない生体親和性を持っています。歯のフッ素コーティングまでしてくれる?グラスアイオノマーセメントは硬化反応時にフッ化物イオンが徐々に放出される特性を持っています。さらにそのフッ素は、再びグラスアイオノマーセメントに取り込まれます。なんと、口腔内でのフッ素供給タンクのような役割を担うのです。だけど弱点も…充塡用歯の硬組織(エナメル質・象牙質)の欠損をふさいで修復します。合着(ごうちゃく)・接着用詰めもの(インレー)や被せもの(クラウン)などを歯に装着・固定します。裏層(ベース)用う蝕した象牙質を除去した後に、セメントで象牙質の代替層を形成します。シーラント用複雑な形をしている奥歯の溝を薄いセメントでふさぎ、むし歯を予防します。歯科用セメントの主な用途3

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