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村岡 秀明
Vol.27

つれづれなるままに

(2004.11.16)
千葉県市川市・村岡歯科医院
村岡 秀明 著者紹介

ジーシーVS日本タイコニウム、架空トップ会談、パート2

村岡
「今日は中尾社長に人使いのコツを教わりたいと思ってやってきました」
中尾
「うーん、特にコツなんてものはないですが、あえて言えば、四角い重箱に味噌を入れて、それを丸いしゃもじですくうようなものです」
村岡
「それじゃあ、角が残ってしまうじゃあありませんか」
中尾
「そうですよ、角が残るようにしないとダメなんですよ」
村岡
「あー、なーるほど。この前、徒然草を読んだら『よき細工は少し鈍き刀を使う』というようなことが書いてありました。それに通じるところがありますね」
中尾
「徒然草なんかをよく読むんですか」
村岡
「ええ、私が一番大切に考えているのが健康奉仕ですから」

 というわけで、今回は架空トップ会談ではじまりました。

 私は古文が得意なわけではありませんが、兼好法師が書いたといわれる、徒然草というのが何故か好きで、なんと序段の「つれづれなるままに日ぐらし硯にむかいて……」というところだけは暗記しているくらいです。もちろん全部読んだわけではなく、ところどころ、おもしろいと思ったところだけを知っているていどですが、読むたびに、今も昔も感じるところは同じなんだなーと妙に感心してしまうのです。

紅葉

 私が一番好きなのは第百九段の「高名の木登り」という話で、木登りの名人が、男に高い木の上の枝切りをやらせて、それを下から監督している。枝切りが終わって、切っていた男が降りてくる。木登りの名人は下でそれをジーっと見ていて、もう飛び降りても大丈夫なところまで降りてきたところで、はじめて「危ないから注意して降りろ」と言った。木を切っていた男が「飛び降りても大丈夫な、こんなところまできて、何でそんなことを言うのか」と聞くと、「上のほうにいる時は自分でも緊張しているから心配ないのだ。飛び降りても大丈夫と思ったぐらいの時が一番危ないのだ」と答えたのです。今にも通じる、とてもわかりやすい話ですよね。

 亡くなった祖母が昔、「老人会の旅行の帰りに、一つ手前の駅までくると、いつも急に眠くなるんだよ」と言っていたのを思い出します。

 高名の木登りの話の最後に蹴鞠のことが書かれています。バレーボールを足でやるような昔の高貴なスポーツですが、その蹴鞠で、難しいボールをうまく蹴ったあとに、やさしいボールがくると必ず失敗してしまう、というのです。ほんとうにおもしろい例えでしょ。

 この一年間、4回にわたってこのリレーエッセイに参加させていただきました。無事終わったところで、また一年間延長して参加させていただくことになりました。最後まで気をゆるめることなく、でもあんまり気負わないで一生懸命書きますから、またよろしくお願いします。