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相羽 直樹
Vol.205

Dental Photography講座5
顔面写真と口唇写真

(2012.05.10)
アメリカ・カリフォルニア州 歯科技工士
相羽 直樹 著者紹介

  過去2回にわたり、シェード写真の撮影法とその活用法について書きました。今回は顔面写真と口唇写真の撮影法について、次回はその活用法をご紹介します。

  顔面写真と口唇写真は、顔と調和のとれた歯列正中線、切縁平面、前歯切縁ラインをデザインするために必要不可欠な写真です。私は、ファイナルプロビジョナルレストレーションの段階で顔面写真と口唇写真に加え、前々回お話したシェード写真を撮ってもらってから、スタディーキャスト用の印象を先生に取ってもらっています。

  顔面写真を使って顔面正中線に調和する歯列正中線と切縁平面をデザインします。顔面写真を撮影するときの注意点を下に挙げます。

真正面から撮るために、患者にはデンタルチェアーではなく、普通の椅子に座ってもらいます。
顔や首の傾きに気をつけて真正面を向いてもらうのですが、私の経験から、真正面から撮られた写真は左右の耳が同じ大きさに写ることが多いことに気付きましたので、髪の長い人は後ろで結んだり耳にかけてもらったりして、耳がよく見えるようにします。
歯列正中線が十分に観察できるように、大きく、かつ自然にスマイルしてもらいます。局所麻酔などを受けていると、自然にスマイルできないので気をつけます。また、大きくスマイルしても歯列正中線が見えない患者さんは、口角器を使って撮ります。
カメラをフランクフルト平面に合わせて構えます。
頭の上から顎の下が入るような倍率か、それよりやや小さい倍率で撮影します。真正面から撮られていれば、2次元的な傾きはPhotoshopなどの画像編集ソフトを使って回転させることができる(図1)ので、少々ゆるめに撮っておきます。

  口唇写真は、歯列正中線と切縁平面、切縁ラインをクローズアップして評価するのに役立ちます。口唇写真が前述した顔面写真と3次元的に同じ角度で撮られていると、より正確な評価が可能になるのですが、口唇写真のみからではそれを知る由が有りません。そこで、私はPhotoshopを使って顔面写真から(図2・3)口唇部をトリミングして口唇写真(図4)を作っています。



  そのため、顔面写真は最も大きなファイルサイズで、絞り込んでピントをしっかり合わせられるようにISOを200に上げて撮ります(Vol.186: Dental Photography講座1:適正露出の表参照)。バックアップとして口唇だけの写真も撮っておきます。

  顔面正中線と歯列正中線の関係、前歯切縁平面に関しては多数の研究が報告されていますが、歯列正中線は顔面正中線と平行になっていれば同一線上である必要はなく、前歯切縁平面は顔面正中線に対して垂直であれば違和感なく見え、前歯切縁ライン(前歯切縁と犬歯の咬頭を結ぶ仮想ライン)は、スマイルラインに沿っていると美しく感じられるというのが主流のようで、私も同感です。

  ファイナルプロビジョナルレストレーションの顔面写真、口唇写真とスタディーキャストからファイナルプロビジョナルレストレーションの正中線、切縁平面、切縁ラインを評価し、それらを基準にして最終補綴物の正中線、切縁平面、切縁ラインをデザインします。症例を次回のDental Photography講座6でご紹介します。

  最後に、日本とアメリカでは肖像権や個人情報の保護に関する法律が異なると思いますが、私もクライアントの先生方も、写真を撮る際には、患者にPhoto Consent Form(写真撮影の同意書)に署名をしてもらっています。文献や講演、広告などに使う予定の有無に関わらず、全員に署名をお願いしています。

東日本大震災復興支援チャリティ講演会・実習会が各地で開かれています。
7月8日(日) 大阪・千里ライフサイエンスセンター
http://www.applause-j.com/311/osaka.html
9月17日(月/祝日) 東京・すみだリバーサイドホール
http://www.applause-j.com/311/tokyo.html