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相羽 直樹
Vol.199

Dental Photography講座4
コラージュテクニック

(2012.01.24)
アメリカ・カリフォルニア州 歯科技工士
相羽 直樹 著者紹介

  以前も書きましたが、私は患者さんに接見する機会がほとんどありませんので、特に前歯単冠のケースなどのシェードマッチングには悩まされます。クライアントから送られて来る写真が全てなので、それらの写真からいかにシェードの情報を読み取るか、また、読み取った情報をどれだけ製作物に反映させることができるかが、シェードマッチングの鍵となります。

  今回は、これまでのDental Photography講座でご紹介した方法でクライアントが撮ってくれたShade Viewを使った「コラージュテクニック」を、中切歯単冠のジルコニアオールセラミッククラウンの臨床例を挙げてご紹介します。

  「コラージュテクニック」は、用途によって主に下の3パターンに分けることができます。
1. 製作の目標となる画像を作り、歯牙の内部構造やキャラクターを分析
2. Shade Viewに写し込まれたシェードタブを目標歯や支台歯の上に切り貼りして比色
3. 試適時の製作物と目標歯との比色、または支台歯と擬似支台歯との比色



  Photoshopなどのソフトを用いてShade View(図1-1)をコピーし、水平に反転させた写真(図1-2)の中から目標歯を切り取り(図1-3)、Shade View(図1-1)の補綴部位に貼り付け(図1-4)、製作目標となる写真を作ります。

  これで製作目標をプレビューすることができ、マメロン、内部象牙質の形態、白帯、白濁、ハイバリューゾーン、ローバリューゾーン、クラックラインなどのキャラクターが模倣しやすくなります。この写真を真似て補綴物を作ることにより、口腔内でマッチングする確率が高くなります。

  本ケースでは、柔らかい白帯や白濁が観察されます。近心のラインアングル辺りにある、多数の細かい白帯が明度を上げている一方、遠心内部には、やや明度の低い透明層があります。私は、クリエーションポーセレン(FACT社)を使っているので、切端の近心寄りに見られるイエローオレンジ色は、SI-4を使い、切端のやや不透明なエリアには、パールエナメル(PS-0、PS-3)を使って表現しました。



  シェードを分析するときは、Shade View(図2-1)をコピーして上下に反転し、目標歯に近いと思われる2つのシェードタブの反射の少ない部分を切り取り(図2-2)、目標歯の左右に貼って(図2-3、4=拡大)比色します。明度を分析するには、グレースケールに変換(図2-5)して観察します。

  シェードタブは左からOM1、OM2、OM3、A1で、OM3が最も近いとみたので、それを基本シェードとして製作しました。



  しかし、残念ながらシェードが合わず、再製することにしました。試適時に撮影されたShade View(図3-1)から目標歯の遠心半分を切り取って水平に反転し(図3-2)、指摘時に撮影されたShade Viewの補綴物の遠心半分に貼る(図3-3)ことで、製作した補綴物と目標歯の誤差が分析しやすくなります。

  最初に作った補綴物に使用したブリーチデンティンA(BD-A)では明るすぎたので、2本目の補綴物では歯頸部にA1デンティン(D A1)を、その他の部分はD A1とBD-Aを1:1で混合したものを使い、製作したものがセットされました(図4)。