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相羽 直樹
Vol.194

Dental Photography講座3
シェード写真

(2011.10.18)
アメリカ・カリフォルニア州 歯科技工士
相羽 直樹 著者紹介

  第1回目の適正露出、第2回目のカスタムホワイトバランスに基づいて、第3回目となる今回は、実際に補綴治療の大きな鍵となるシェード写真の撮り方をと、その注意点をご説明いたします。

  補綴物を製作するために歯科技工士が一番見たいのは、歯頸部から切縁にわたる基本シェード・透明度・明度の変化、そして内部構造とその色調です。私は、その目的で歯列とシェードタブを写した写真を“Shade View”と呼んでいます(図1)。

  目標歯に最も近いシェードタブを中央に、彩度の一段低いタブと彩度の一段高いタブを含めた計3〜4本のタブをシェードガイドホールダーに入れ、天然歯とシェードタブが同一平面になるようにedge to edge(エッジトゥエッジ)でアシスタントに持ってもらい、目標歯を含める約6歯牙が入る倍率で撮影します。

  Shade Viewを撮影する時の注意点としては以下の通りです:

口角鉤を必ず使います。私は、反射の出ない、つや消しのステンレス製のものを使っています。口角鉤は患者に持ってもらっていますが、撮影時間が長いと腕が疲れて口角鉤が下がってくることが多いので、出来ればシェードガイドを持っている人とは別のアシスタントに持ってもらうようにしています(図2)。
写真を撮る上でフラッシュによる反射は免れませんが、Shade Viewでは、反射が歯頸部寄り1/2のラインアングルに現れているのが好ましいです。そのためには、タブと目標歯の表面に対して、45度程度の角度で歯頸部から切縁に見下ろすようにカメラとフラッシュを構えて撮影します。
歯牙のより自然な色調や特徴を記録するために、歯牙が保湿した状態を撮影します。例えば、支台歯形成と同じ日にシェード写真を撮るのであれば、写真を先に撮り、支台歯形成に入ります。オールセラミックスなどで形成後の写真が必要なときは、後日写真のアポを作って撮影します。
次回、コラージュテクニックというShade Viewの活用法をご紹介しますが、その為に、各シェードタブ、天然歯切縁間を1mm 弱空けておきます(図1)。
使用したシェードタブの番号を記録することをお忘れなく。皆さんも、一度はあると思いますが、忘れてしまうと大変なことになります。私はシェードタブの側面にAからDの系統を(図3)、切縁に1から4までの数を(図4)表す切り込みを入れてタブをコーディングしています。
表面性状が顕著な歯牙や、矯正治療などでエッチングされてしまった歯牙は、表面を濡らして撮影するとシェードや内部構造が見やすくなります。

  次回は、Shade Viewを使ったコラージュテクニックによるシェードの分析法をご紹介します。