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  • Vol.228 2012.03.23
  • うす紅の花びら餅に託す健やかな暮し

うす紅の花びら餅に託す健やかな暮し

  先日、京都の花びら餅をおみやげにいただきました。
  正式名称は「御菱(おんびし)花びら」「試みの餅」という長い名前で、やわらかくしっとりとした真っ白のお餅の中に菱形の小さな桃色のお餅と白味噌あん、芯の部分に細長いゴボウが入っているとても優雅なお菓子。茶道裏千家の初釜用のお菓子としても有名です。
  白い肌にうっすらと桃色が透ける繊細な美しさに、野山の桜や梅を思い浮かべ、一足早いお花見を楽しみました。

  ゴボウがそのままの形でお菓子になっているのもおもしろいと思いましたが、これは平安時代に宮中で行われていた歯固めの儀式がその元祖だとか。
  当時、お正月に餅の上に肉や野菜、押し鮎などを堅いものを載せて食べ、歯を丈夫にして長寿を祈ったそうです。

  室町時代になって、宮中にお菓子を納めていた職人がこれをヒントに作った花びら餅が宮中の正月菓子となり、茶道の家元が初釜や新年会に使うようになったようですね。中国ではゴボウは生薬素材ですから、そのあたりも考慮したのかもしれません。

  さて、ゴボウといえば、最近ではゴボウを天日干しして焙煎した「ゴボウ茶」がちょっとしたブームになっているようですね。
  現代の栄養学から見ても、ゴボウは注目株。生活習慣病の予防作用があるのではと注目されているイヌリンなどの水溶性食物繊維や腸の善玉菌の餌になるオリゴ糖が豊富で、抗酸化力の高いポリフェノールまでたくさん含まれています。

  厚労省の発表では、2011年の日本の糖尿病人口は1067万4320人。1990年の糖尿病とその予備軍の合計775万人から激増しています。
  普段から運動に気をつけている人でも、食事の管理は摂取カロリーしか気にしていなかったり、間食のお菓子を計算に入れていなかったりすることが多いようです。

  例えば、ショートケーキ1個で300〜350kcalで、油脂や糖分も過剰になりがちです。摂取カロリーだけを気にして、夕食を抜くケースもあるようですが、これでは食事バランスがさらに崩れる危険があります。

  これを、ゴボウやさつま芋など、食物繊維豊富な野菜を豊富に含む間食にうまく置き換えられれば、血糖値の上昇を緩やかに抑えられ食後高血糖をコントロールできます。
  皆様もおやつを見直して見るとおもしろいことが発見できるかもしれません。

コラムニスト 鈴木 百合子