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  • Vol.227 2012.03.07
  • 空の春、地上の春、地中の春、海の春

空の春、地上の春、地中の春、海の春

  ようやく春めいてきたものの、まだまだ三寒四温の日が続きます。1月の東京都心は26年ぶりの寒さで、平均気温が4度8分。夕方に冷え込むので、厚いコートが手放せませんでした。
  とはいえ3月を迎えれば、庭先の梅の花や街路樹の桜のつぼみが日に日に膨らんで、確実に春は近づいています。

  そんな春の暖かさが土の中まで届いて、歳時記に「巣ごもり虫、戸をひらく(冬眠していた虫が地上に出て来る)」とあるように、動物や昆虫達が冬眠から覚めて地上に出てくるのが3月5日の「啓蟄」です。

  動物が冬ごもりから目覚めるのは、最低気温が5度を下回らなくなる頃といわれます。例年、福岡が暦どおりの3月上旬、東京は3月下旬、仙台は4月、北海道だと5月以降になるようですね。

  今の季節が冬か春かを確かめるには、夜空を見るのが一番です。
  ちょうど今の時期は冬と春が共存していて、3月上旬の午後10時頃に空を見上げると、南西の空には「冬の大三角」、東の空には「春の大三角」が見えます。

  東に見える冬の大三角は、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンという一等星3つの大きな正三角形。シリウスは全天で一番明るい白い星なので、すぐわかります。

  春の大三角形は、同じ空の南西側に見える、冬の大三角形よりもひとまわり大きな三角形。うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラです。アルクトゥルスはオレンジがかった色の明るい星、デネブは純白の一等星で、目が慣れてくれば簡単に見つけられますから、探してみてください。

  一方、3月の海はまだまだ冷たくて、春といっても海水温は10度前後。4月になるとようやく水がぬるんで、14度くらいまで海水温が上がります。

  海の中で春に旬を迎えるのが、海の植物、ワカメ。ワカメは冷たい水を好むので、秋に深さ数メートルの海の底の岩で芽吹き、春には1から2メートルにまで成長します。
  旬の爽やかなおいしさに加え、鉄・ヨウ素・マンガン・亜鉛・カルシウム・カリウムなどのミネラルや食物繊維が豊富な上にローカロリーですから、おいしく食べて、冬の疲れを吹き飛ばしてくださいね。

コラムニスト 鈴木 百合子