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  • Vol.222 2011.11.30
  • もういくつ寝るとお正月

もういくつ寝るとお正月

  このところ天気はいいのに、外を歩くと身体の芯まで冷えるような冬将軍の到来です。勤労感謝の日を過ぎるとめっきり寒くなるのも、勤労感謝の日が「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれた飛鳥時代からのお約束だったのでしょう。
  もういくつ寝るとお正月。年の瀬の慌ただしさを思うとちょっと気が重くなりますが、その先にあるお正月を楽しみに、この年末を乗り切りましょう。

  お正月といえば、お節料理。
  でも、もともとお節料理というのは、季節の変わり目である五節句(1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日)の伝統料理のこと。なぜ1月に二つもあるのだろう、と以前から不思議に思っていましたが、今回調べてみて驚きました。

  実は、昭和初期にどこかのデパートがお正月の食材を箱詰めにして「お節料理」と名づけて売り出したのが世間に広まり、いつの間にか浸透してしまったそうなのです。
  本家本元の1月のお節料理の「七草がゆ」も善戦していますが、残念ながら元日の正月料理の方が圧倒的にイメージが強く、すっかりお株を奪われた感じです。

  もう一つ驚いたのは、北海道出身の友人の「大晦日に家族でお節料理を食べる」という言葉。実は、日本古来の伝統としてはこちらが正式のようです。大掃除をして、豆撒きをして、お正月を祝う。洋風化の影響か、日本の行事のやり方も、明治、大正、昭和の時代にかなり変遷しています。

  冒頭は明治時代の作曲家、滝廉太郎の作った唱歌。この頃は生活の中に一定のリズムがあって、庶民にとっていい着物を着たり、美味しいものを一杯食べたりするのは、お正月や節日の特別な楽しみだったのでしょう。
  最近は「お正月に特に何もしない」という人が増えているそうで、合理的ではありますが、少し寂しい気がします。

  ちなみに、ある食品会社の調査では、60歳代の約1割の男性が自分で「おせち」を作っていることがわかったそうです。しかも、「誰が作るおせちが理想か」との問い、いわば自分でこしらえた「My おせち」が理想と回答する人が6%もいたそうです。団塊世代がリタイア後にお正月のおせち作りに精を出しているようですが、奥様の驚く顔が浮かび、微笑ましいです。
  若い世代のご夫婦も、生まれ育った家庭の味をお互いに伝え合いながら、「わが家のお節料理」を作っていけると良いですね。

コラムニスト 鈴木 百合子