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  • Vol.220 2011.10.26
  • 世界と日本の学生をつなぐギャップイヤーの試み

世界と日本の学生をつなぐギャップイヤーの試み

  ひんやりした秋の風に、夕暮れの家の灯りが優しく見える季節です。
  そういえば、家庭用電球を販売している某家電メーカーでは、来春以降に入社する大学卒以上の事務系社員は全員、海外赴任の可能性があると発表しました。実務研修や語学留学、長期出張などで若手社員が海外経験を積む機会を与えるそうです。

  企業が力を入れるのは、大学改革がその時流に今ひとつ乗り遅れているのも一因です。近年、国際関係学科の新設や、推薦入試を増やしたりしましたが、大衆化した大学教育が一朝一夕に変わるはずもありません。

  グローバルスタンダードである秋季入学に対応できる日本の大学はまだまだ少ないことも、海外留学生の受入れにも支障をきたし、日本の大学生にとって海外留学への心理的なハードルにつながっています。

  そんな中、東京大が秋季入学に移行するかどうか、本格的に検討を始めました。もし秋季入学が決まれば、東京大に合格した学生は高校卒業から大学入学までの半年間と卒業後の半年間、「ギャップイヤー」と呼ばれる空白期間ができます。

  日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、特に英語圏の大学ではギャップイヤーをあえて長く設定して、机上の学問では得られないことを体験するよう推奨する文化があります。特に発祥地のイギリスでは、日本と違って大学の受験資格を得られる年齢もさまざまなため、学生側に抵抗がないようです。

  一方、最近では、比較的入学しやすい海外の大学への進学や留学を望む「フツーの高校生」も増えています。これは国内の中堅大学に進学するより、海外の大学で勉強して英語を武器にした方が国内の企業への就職に強いのではないかと考えてのこと。

  海外の大学進学が就職にすぐ有利になるのかどうはわかりませんが、学生にとって異文化で海外の学生と一緒に学ぶのはとても大事なこと。こういう学生たちを積極的に受入れる企業が増えてくれるといいですね。

  ギャップイヤーについて検討すべきことは多々ありますが、現代の日本なら、意外にうまく馴染むのではないかとも思います。
  社会は人と人のつながり。
  これからは国際化を声高に叫ぶのでなく、スケールの大きな友情と人脈を胸に、必要な知識や異文化をうまく受入れて、大学生から社会人に羽化してほしいと思います。

コラムニスト 鈴木 百合子